文民統制

文民統制は、現状特に異論は無いと思うのだが、一応前提を再考しておきたい。
これは軍が独自行動するとよろしくない場合または独自行動する可能性が高い場合を前提としている。なんせ武力で対抗できないからね。なので軍は国民の意思に従うべしと。


ただ、国民の意思つーのは一部のトップ・・・首相とか大臣とか・・・に権力を委譲しているわけで、文民たるアメリカ大統領が核戦争するよって言えば文民による戦争はおきる。軍を掌握した誰それが云々、なんてのはよくあるわな。
てことで、
・軍が独自行動しない
・軍は国民の代表者の言うことを聞く
・国民の代表者が独自行動しない
・国民の代表者は国民の言うことを聞く
といった条件が最低限必要なわけだが、自衛隊のトップクラスが論文書いて云々つーのはどこで批判すべきなのか悩ましいな。


まず軍が独自行動しそうに見えるので、ってのは理由になりそう。
ただし文民で国民の代表者であるところの内閣やその他軍を動かす権力をもつ人が、有事に際して軍を動かさないという独自行動は阪神淡路の震災で体験したので、上の条件がいままで守られてきたのかという点では疑わしく、じゃあそれをさらに崩したからといって、軍人であるという理由で批判するのはどうか、みたいな反論は出来そう。まぁどっちにせよよろしくないので、せいぜい不公平といった程度であるが。


あと独自行動とかいうが、文民が軍についてどこまで専門になれるのかという話も。軍についての素人が命令を出して果たして機能するのか、とか歴史的にそれで大敗した国無かったっけとか。じゃあ大雑把な命令だけは文民が行って、あとは軍の独自行動が望ましいよね、とか・・・うーん?w


それから、国民の代表者は国民の言うことを聞く、についてだけど、有権者の言うことなんてこれっぽっちも〜といった話は置いといて、文民が今回の論文と同じものを提出してたらどうなのかと。軍に命令を下す立場またはそれに近い立場の人のほうが理屈上危険だよね? ていうかその立場に立った時点で文民じゃないんじゃないのか・・・


とかまぁ、制度としてこのように考えるようにしましょう、って意味では良いと思うんだが、批判材料としては微妙な部分がそれなりに。どんな思想宗教持ってても文民に従うなら問題ないし、思想が危険だというのであれば、同時に命令を実行しない憲法9条を頑なに守る使えない軍人とか、命令を実行できない軍事力の足りない軍そのものとかも激しく危険かと思われる。

あ、思想はOKだが論文で発表するのがまずいってだけの話ならそのほうが分りやすい。文民だろうが軍人だろうが個々人がなに考えてるかなんて、ね。


ということで特にオチはないのだが、
・軍が実用的な武力を維持している(現状あやしい)
・軍が独自行動しない(今回の対応見るに大丈夫そう)
・軍は国民の代表者の言うことを聞く(同上。但し素人の意見は聞かなくて良い)
・国民の代表者が独自行動しない(守らないという方向で非常にあやしい)
・国民の代表者は国民の言うことを聞く(略。但し素人の意見は聞かなくて良い)
といった現状把握でいいのかしら。いくつかめんどくさい部分すっとばしてるけどw
じゃあ何が国益になるのかなぁと考えると、自衛隊大丈夫なのかってのと、素人文民が悲惨に国益損ねてないか、ぐらいか。なんの考察にもならんなー